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2017.07

2017.07.24 Mon

John Coltrane Live at The Jazz Gallery 1960

2011年にRLR Recordsというレーベルからリリースされた、John Coltraneのいわゆる海賊版です。 内容の素晴らしさとレア度からご紹介したいと思います。

John Coltrane Live at The Jazz Gallery 1960

<Musicians> John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p) Steve Davis(b)Pete La Roca(ds) <Song List> 1)Liberia 2)Every Time We Say Goodbye 3)The Night Has A Thousand Eyes / CD One 4)Summertime 5)I Can’t Get Started 6)Body And Soul 7)But Not For Me / CD Two   1960年6月27日New YorkのGreenwich VillageにあったThe Jazz Galleryでのライブ録音2枚組です。 正式な録音ではないので音質は決して良くありませんが、演奏内容は本当に素晴らしいです。 絶好調のColtraneとリズムセクションとの組んず解れつの演奏、ここには幾つか特筆すべき点があります。 まずピアニストMcCoy Tynerが正式にJohn Coltrane Quartetに加入した直後の演奏という点です。 ColtraneはMiles Davis Quintet脱退後自分のカルテットをスタートすべく、多くのピアニストを起用しました。 Wynton Kelly、Cedar Walton、Tommy Flanagan、意外なところでCecil Taylorとも1枚作品が残されています。 ギタリストWes Montgomeryも一時参加したという話を聞いたことがありますが、Coltraneの長いソロの最中バッキングを 止められ、ステージでぼーっとしているのが嫌だったのでしょう、すぐ辞めてしまったようです。 Steve Kuhnも同じThe Jazz Galleryで1960年1月2月3月とその間約8週間Coltraneと共演を果たし、音楽的恩恵をColtraneから被ったと 述べています。Coltraneへの慈しみの想いで録音されたSteve Kuhnの作品がこちらです。 Steve Kuhn Trio w/ Joe Lovano “Mostly Coltrane” (ECM) このCDも名盤、そして愛聴盤です。Mostly Coltraneと名付けられただけに、収録13曲中11曲がColtraneのオリジナルやレパートリー、 2曲がSteve Kuhnのオリジナルです。この作品もいずれこのブログで紹介したいと考えています。   本題に戻りましょう。Steve Kuhnとの共演3ヶ月後、以降65年まで行動を共にする音楽的パートナーMcCoy Tynerが遂に入団しました。 ここでは既にMcCoyの個性が存分に発揮された演奏を聞くことが出来ます。リリカルで明快なタッチ、Coltraneの音楽に欠かすことの 出来ない”Sus4″ のサウンドが随所で聴かれます。何よりColtraneの長いソロの間、バッキングを弾かずじっと我慢出来る忍耐強さを持った ピアニストの登場なのです(笑) パズルのピースが一つ揃いました。この後暫くして最重要ピースであるドラマーElvin Jonesの加入、そして 程なくしてベーシストJimmy Garrisonが加わり、黄金のカルテットが出来上がる訳です。   ドラマーPete La Roca。Coltraneとの正式な録音は残されていないと記憶していますが、ここではハードバップから一歩飛び出た 素晴らしいドラミングを聴かせています。 60年録音Coltraneの作品”Coltrane Plays The Blues”にMr.Symsという曲が収録されています。 この作品にはBlues To Elvinという、盟友Elvinに捧げたナンバーが入っています。Pete La Rocaの本名はPete Sims、もしかしたら Mr.SymsとはPete Simsの事かも知れません。 Pete La Rocaの名演が以下の2枚で聴く事が出来ます。 Jackie McLean “New Soil”  (Blue Note) JR Montrose “The Message” (Jaro) この2枚も大好きな作品です。じっくりと取り上げて行きたいですね。   演奏曲にも触れてみましょう。 1曲目Liberia、Dizzy GillespieのA Night In Tunisiaにどこか似ているこの曲、アフリカのTunisiaではなく近くのLiberiaで辺りで 済ませたようです(笑)。しかしこの曲の演奏時間が凄いです、30分強!!長い!時は60年ですよ! 63年以降の欧州ツアーでImpressionsを40分、Live In JapanでMy Favorite Thingsを1時間演奏したColtrane、さすがに そこまでは行かずとも、ここでは20分近くテーマ〜ソロを吹き続けていますが、全く中弛みすることなくテンションと パワーを湛えた演奏を展開しています。その後ピアノ〜ドラム・ソロと繋がります。 60年当時で1曲の演奏時間が30分という例をColtrane以外(でも一体外の誰がそんなに長く演奏するでしょうか?)でも僕は聞いたことがありません。 でもオーディエンスは大喜び、お客様もしっかりColtraneの演奏について行ったようです。   もう1曲特筆すべきは5曲目のI Can’t Get Started、Coltrane自身がこの曲を演奏し、世に出ているのは恐らくこのテイクだけでしょう。 ソプラノサックスで演奏されていますが、驚くべきはコルトレーン・チェンジが施された構成で演奏されている点です。 Coltraneは60年当時、短3度と4度進行からなるコルトレーン・チェンジを数多くの曲に用いていました。代表作がGiant Stepsで スタンダード・ナンバー、例えばこのライブ録音に収録されているThe Night Has A Thousand Eyes、Body And Soul、But Not For Me、 他にもSatellite (How High The Moonのコード進行がベース。月に引っ掛けた衛星のシャレですね)、Fifth House (Hot Houseのコード進行、構成がベース)、 Count Down (Tune Upのコード進行、構成がベース。チューニングとカウントを引っ掛けてます) 、26-2 (Confirmationのコード進行がベース)。 推測するに当時Coltraneは片っ端からスタンダード・ナンバーをコルトレーン・チェンジ化をしていました。その中で上手く行った曲をレコーディングし、 世に出していたのでしょう。実際26-2はColtraneの死後に未発表テイクとしてリリースされました。演奏や曲の構成にもやや無理があるように 聞こえます。このI Can’t Get Startedも内容としては今ひとつの感を拭えません。   Coltraneファンとしては彼の未発表演奏の発掘をまだまだ心待ちにしています。前述のWes Montgomeryの共演を筆頭にお宝はきっとある筈です。 聴いてみたいものです。

2017.07.14 Fri

Pete Christlieb〜Warne Marsh Quintet / Apogee

昔からの愛聴盤、今でもちょくちょく引っ張り出して聴いているCDがこれ、

Pete Christlieb(ts) 〜 Warne Marsh(ts) Quintet / Apogee (Warner Bros.) 1978年録音&リリース、CDではボーナストラックが3曲追加されて2003年に再発されています。 Pete Christlieb、Warne Marshと言う全くタイプの違うテナーサックス奏者のテナーマッドネス、本当に素晴らしい作品です。 Sonny Rollins ~ John Coltrane、Gene Ammons ~ Sonny Sitt、Sonny Stitt ~ Sonny Rollins、Johnny Griffin ~ Eddie Lockjaw Davis、 Al Cohn ~Zoot Sims、 Dave Liebman ~ Steve Grossman、Michael Brecker ~ Bob Mintzer… ジャズ史上多くのテナー・バトル・チームが存在しましたが、Pete ChristliebとWarne Marshほど毛色の違うテナーサックス・バトルは聞いた事がありません。 極論を言うならばあまりのスタイルの違いから水と油の2人、テナー・チームとしてタッグを組むにはとても距離感があると言わざるを得ませんが、 彼等の界面活性剤的役割を果たしたのが本作のプロデューサー、Donald FagentとWalter Beckerの2人、言わずと知れたロック・グループSteely Danのリーダー。 テナー奏者を2人フィーチャーしたアルバムを制作するくらいですからテナー奏者好きは間違い無いでしょう。 Steely Danのアルバム”Aja”ではWayne ShorterをSteve Gaddのドラミングと共に大フィーチャー、Donald Fagenは自身のソロアルバム”The Nightly”で Michael Beckerの華麗なソロプレイを巧みに演出させていました。他にもJerome Richardson、Ernie Watts、Plas Johnson、Chris Potter等 スタジオミュージシャン・テナー奏者を起用、ここまでのテナー奏者との関わりは通常の範囲内ですが、Steely Danのコンサート演奏活動に この2人のプロデューサーのテナー奏者フェチが表れています。1994年の来日公演の際のホーンセクション、Cornelius Bumpus、Chris Potter、Bob Sheppardという 個性派テナー奏者3人衆!!Donald Fagen、Walter Beckerの2人は一体何を考えいるのでしょうか?テナー奏者好きにも程があります(笑) この2人のマジックにより2大テナーの演奏が見事に融合と相成りました。   Pete Christliebはアメリカ西海岸を中心としたスタジオミュージシャン、音色も明るめで何しろタンギングの達人、フレージングの滑舌の小気味良いこと。 明確なメッセージを湛えたアドリブ・ラインを聴かせてくれます。 Warne Marshも西海岸ロサンゼルス出身ですが、師レニー・トリスターノと共に東海岸ニューヨークで活動、クール・ジャズと呼ばれるスタイルで演奏し、 「ホゲホゲ」「モグモグ」「ガサガサ」を感じさせるダークなトーンと独自のアドリブラインで、ワン・アンド・オンリーなテナー奏者です。 サックスの音色やフレージングの滑舌はその人の喋り方が確実に反映されます。Pete Christliebはさぞかし明朗快活な分かり易い話しっぷり、 更に彼のニュアンスやフレージングから感じるのですが、冗談好きでおちゃめな雰囲気も併せ持っているかも知れません。 対するWarne Marshは「ぼそぼそ」とした喋り方でシニカルに物を言い、知的な話が好きですが人に自分の話を聞いて貰わなくても構わない、 委細かまわず好きな事を好きに話す、ちょっと偏屈なタイプの人かも知れませんね。 1曲目Magna-Tism(コード進行はスタンダード・ナンバーJust Friends)に2人のスタイルの好対照振りが表れています。 ハイライトはWarne Marashの後に続く2人の同時進行ソロ〜オーバーダビングによる多重奏(4重奏?)〜 絶妙な場所に訪れる不協和音のエグいハーモニー!何度聞いてもカッコいいです!! 続くピアノソロの後にはラスト・テーマが演奏されずそのままFine、とってもヒップ!この辺がプロデューサーたちの意向でテナーフェチのなせる技でしょう。 2曲目レニー・トリスターノ作の317 E. 32ndのエンディングも素晴らしい!トリスターノが聴いたらさぞかしビックリした事でしょう。 3曲目はプロデューサー2人のオリジナルRapunzel。さすがにポップな雰囲気のジャズチューンですね。Peteさんの芸風にはぴったりですが Warneさんにはどうでしょうか?意外に楽しげに演奏しているように聞こえますが。 4曲目はアルバムのもう一つのハイライト、アップテンポのその名もTenor Of The Time。こう言い早い曲ではPeteさんまさしく本領発揮、 バキバキとゴキゲンにスイングしています。タイムは良い、音符が長い、明瞭な話し方、バッチリなタンギングで音符がプリプリしている、 そしてアドリブカッコ良いと来れば言うこと無しです。で、ここでテナー演奏が彼1人で終わってしまえばありきたりのごく普通の凄い演奏ですが(笑)、 この後にホゲホゲのカリスマWarneさんの演奏が入る事により、全く普通では無い演奏に化学変化しています。テナーバトルって面白いですね。 5曲目はご存知Charlie Parkerの名曲Donna Lee。しかし何ですかこのテーマ演奏は?輪唱とはまた異なる、拍をずらしてのメロディ演奏、 アンビリバボーなアイデアによるこの曲の代表的な演奏が生まれました。 6曲目はPeteさんのワン・ホーン・カルテットによるJerome Kernの名曲I’m Old Fashioned。もう、大好きな演奏で何度聴いても堪りません。 これだけ唄っていればテナー1人で完結しています。

2017.06

2017.06.19 Mon

リコ・リード・アルト木製箱‼️

以前eBayで落札したリコ・リード・アルト3番、木製の箱をご紹介します。

何年頃のものかは資料がないので分かりませんが、リコ・リードは1928年創業なのでもしかしたらその頃のものかも知れません。 奇跡的なコンディションで残っていました。 大変凝った造りで思わず見入ってしまいます。 蓋には印刷ではなくしっかりとレリーフで文字が刻まれています。 ちょっとオシャレなアンティーク小物入れと、見紛うばかりのクオリティです。 箱の四隅にも丁寧に組み継ぎが施されています。 当時の職人の情熱や意欲を感じさせてくれます。 箱にこれだけの手間を掛けているので、当然収納されているリードも優れているに違いありません。 何枚か入っていました。 リード自体の木の質が現代のものとは根本的に異なっているように感じます。「しっかり」感が半端ないです。 左側が現代のリコ・リード、木製の箱に入っていたリードの方が「木製」っぽいです。現代のものは白っぽく、比較するとまるで紙のようです。木製の方は幾分長さが短いですが(リコ・リード歴代短い場合があります)、かなり長いカットの仕上げです。こちらの方が手間が掛かりますが、リード全体が良くしなるので豊かな響き、倍音が得られます。 リード裏側の字体、ロゴも異なります。恐らく25枚中殆んどバッチリ使えたのではないでしょうか? さすがに手間が掛かり過ぎたのでしょう、いつの頃からか木製の箱をディフォルメした、紙製木目調の箱、通称「リコの茶箱」に変わりました。僕もこの箱のリコには大変お世話になりました(当たりのリードの数もまだかなり多かったです)。下の箱はリコ・ロイヤル・リードのもの、こちらのデザインも木製をイメージさせるので、ひょっとしたらリコ・ロイヤルも昔は木製の箱であったのかも知れません。 因みにこのリコ・ロイヤル・バリトン・リード、硬さが1番と珍しいのでニューヨークの楽器屋でアウトレットで買って来ました。 こちらは1980〜90年代のリコ、リコ・ロイヤルの紙箱です。品格、風格が箱のデザインからめっきり感じられなくなりました。当然のようにリードの質も低下し始めました。 この当時の箱に同封されていた”THANK YOU”と題された説明書きが僕の引き出しに残っていました。 各国の言葉で書かれており、もちろん日本語でも日頃のご愛顧に感謝の旨が書かれています。 この説明書きが入っていた頃はリコも少し改心したのか、リードのクオリティがやや持ち直したのを覚えています。

2017.06.14 Wed

Eddie Daniels CD ”First Prize! ”

最近ハマっているCDがテナーサックス、クラリネット奏者Eddie Danielsの初リーダー作”First Prize! ”   1966年録音でEddie Danielsの誕生日直前、まだ24歳です。 当時ウィーンで行なわれていたInternational Jazz Compensationで一等賞を受賞した栄誉に掛けて”First Prize! ”というタイトルになりました。ちなみにChick CoreaトリオやWeather Reportの初代ベース奏者だったMiroslav Vitousも1966年僅か18歳で同コンペティションに優勝しています。 Eddie Danielsが当時所属していた伝説の名ビッグバンド、Thad Jones〜Mel Lewis Big BandのリズムセクションであるRoland Hanna(p) Richard Davis(b) Mel Lewis(ds)を雇い録音しています。 この作品はレーベルが名門Prestige、レコーディング・エンジニアが名手Rudy Van Gelderとジャズ名盤の王道を行っています。 そして内容ですが、イヤ〜全く素晴らしい!! 現在ではジャズ・クラリネットの第一人者として君臨しており、一時は全くサックスを演奏しなかったようですが、最近ボチボチ吹いているようです。 CDジャケット写真を見る限り楽器はセルマー・スーパー・バランスド・アクション(low BとB♭のキーガードがセパレートではないので中後期のモデルです)、マウスピースもリガチャーは替えていますがオットーリンク・メタルと、こちらもジャズテナーの王道真っしぐらです。 僕好みのエグみのあるテナーサックスの音色、端整なタイム感、コード進行に対して常に抑揚を失わない知的なフレージング、そして極端なまでのテナーの音量のダイナミクス〜ppからffまでの完璧なコントロール!! これが僅か24歳の演奏とは思えません。 この時点で確固たる自分のスタイルを築き上げています。 僕の尊敬するサックス奏者たち、Stan Getz、Lee Konitz、Warne Marsh、Steve Grossman、Dave Liebman、Mike Brecker、Bob Berg、Bob Mintzerがそうであるように、Eddie Danielsもユダヤ系アメリカ人だそうです。

ところでMike Breckerから直接聞いた話ですが、1977〜78年頃、The Brecker Brothers Bandの代表作Heavy Metal Be-BopやBlue Montreuxをはじめ、Mikeさんがスタジオの仕事をやり倒していた頃に使っていたマウスピースはOtto Link Double Ringの6番で、なんとEddie Danielsから貰ったものだそうです。このCDで使っていたマウスピースがそのままMikeさんに渡ったのかも知れませんね。

2017.06.06 Tue

リガチャーネジ交換〜ウッドストーン篇〜

リガチャーのネジを交換する事でサウンドが変化し、吹奏感がアップします。

ウッドストーン・リガチャーで試してみました。 こちらは素材がシルバー、銀無垢です。 こちらは真鍮の地金に金メッキを施したもの。 左側2本がウッドストーンのネジ、やはり銀無垢です。 右側の2本は先日eBayで落札したリガチャーネジ60本の中のものです。 以下は以前のブログに掲載した写真です。 ツマミがとても大きく、ウッドストーンのネジの倍近い重さがありそうです。 ネジピッチが細かいネジで、インチ仕様やセルマーには合いません。 素材は多分真鍮でシルバープレートだと思います。 本来のネジと取り替えてマウスピースに装着してみました。 かなりネジが大きくて目立ちます。 こちらも左側2本ウッドストーン真鍮ゴールドプレートネジと、同じくeBay落札60本ネジの中の金色ネジ。多分ラッカー仕上げです。やはりツマミ部分がとても大きく、重量感があります。 こちらも取り替えてマウスピースに装着しました。 こちらもかなりのデカブツです。   さて結果です。 シルバーのリガチャーを特大ネジに交換、大成功!! 幾分抵抗感が増しますがエアーが強力に入るようになります。レスポンスもぐっと向上し音の立ち上がりが早くなり、音のクリアーさ、輪郭の太さが強調され、テナーらしさ、豪快さが際立ちます。リガチャー自体の銀無垢素材の良さが存分に発揮されている感じです。ウッドストーンのネジがやや小振りだったのに較べ、特大ネジに取り替えた事で重量が増した事が要因ですが、ここまでの変化は想定外でした。 真鍮ゴールドプレートもシルバーほどではありませんがバージョンがアップした吹奏感、サウンドになりました。 ウワサを聞きつけて石森楽器でウッドストーン・リガチャーの取り替えネジ、ヘビータイプ、ウルトラヘビータイプが発売される日が来るかも知れません。

2017.06.05 Mon

セルマー・ベニー・グッドマン・リガチャー

セルマー・ベニー・グッドマン・リガチャー・クラリネット用です。 セルマー数ある種類のリガチャーの中で個人名、アーティストの名を冠したリガチャーは恐らくこのベニー・グッドマン・リガチャーだけです。 普通のセルマー・リガチャーでMADE IN FRANCEのロゴがあるべき所に燦然とBENNY GOODMANの名前が!!

MADE IN FRANCEはリガチャーの裏側に刻印されています。

随分と凝った作り、仕様です。このリガチャーも矢張り1958年の製品と考えられます。総じて芸術的とも言えるセンス、美学、気品を感じ取る事が出来ます。

この頃のキャップには幅調整のためのスリットが設けられていません。

以前取り上げたセルマー・シングル・スクリュー・リガチャーとは同じコンセプトの下締めタイプですが、リードにあたるプレートのシステムがかなり異なります。 プレートの両側を下向きに折り曲げています。プレートを止める鋲、シングルスクリュー・リガチャーはマイナスのネジ止めになっていました。 以下はベニー・グッドマン・リガチャーのスクリューと台座の接写です。 以下はテナーサックス用シングル・スクリューリガチャーの台座、スクリュー部接写です。 サックス用にもこのプレート・システムを採用しても面白いと感じました。 肝心の吹奏感、サウンドですが、これだけこだわって作っているだけの事がある実に素晴らしい吹き心地、豊かな響き、音色です。 実はこのリガチャーをベニー・グッドマン自身が吹いている、若しくは装着している写真、映像を僕は目にした事が有りません。 どなたかご存知ありませんでしょうか? それともグッドマン自身このリガチャーを作製依頼したのか、セルマー社が企画してベニー・グッドマンの名前を借用したのか、いずれにせよグッドマンは気に入らず使わなかったのかも知れません。 ほとんどの製品のモニター、エンドーサーは契約上積極的にその製品を使うのが常ですが。

2017.05

2017.05.27 Sat

マーチン・リガチャー袋入り合計100個‼️

3年近く前になりますが、マーチンのテナー・ハードラバー用のリガチャーをeBayで落札しました。 こちらも以前落札したリガチャーのネジ60本と同様で誰も入札者がおらず、開始価格での落札でした。 個数が半端ではありません。袋入り合計100個です。

 ふ

アメリカ国内の何処かの楽器屋倉庫に眠っていたのでしょう。断捨離?閉店のため在庫処分?よく分かりませんが、テナーのリガチャーとして出品されていましたがアルトのリガチャーも含まれており、テナー用が約70個、アルト用が約30個でした。 以下の値札が入っていました。 リガチャー1個2ドル25セントと言う事でしょうね、現代のリガチャーの価格からすると信じられない安さです。 値札の裏面です。

Wurlitzer社が親会社で何処かにOEMでリガチャーを作らせ、Martinに卸しているのでしょうか。

リガチャー自体には何もメーカー等の刻印はありません。

テナー用

アルト用

肝心のサウンド、吹奏感ですが、これが本当に素晴らしいです。 ダークで豊かな倍音成分を含み、確実な素早いレスポンス、Otto  Link等のラバーマウスピースにバッチリとフィットします。 削り出しのネジの使用、リガチャー本体のバリ取り等の仕上げ、ラッカーのクオリティも高く、多分アメリカでこのレベルの仕事が出来るのは60年代以前なので、この頃の商品と考えられます。 リガチャーネジ60本の中のインチ・ピッチのネジの中で、古そうな物と付け替えて吹いて見ましたが、その違いがかなりあるので面白いです。 もっとも練習もしないでグッズ弄りばかりしているのはオススメ出来ませんが(爆) 最後にテナーのリガチャーを全て机の上に並べてみました。 凄い数でした。  

2017.05.25 Thu

セルマー・マグニトーン・リガチャー

今回取り上げるのはセルマー・マグニトーン・リガチャーです。

こちらも前回のセルマー・シングルスクリュー・リガチャーと同様に1950年代に発売されていましたが、シングルスクリュー・リガチャーがフランス・セルマー社の製品に対してアメリカ・セルマー社の製品になります。 リガチャーの素材は洋白(洋銀)です。 以下は珍しい銅製のマグニトーンです。 アルトからテナー、バリトンまで、主にラバーですがサイズが合えばどのマウスピースにも使用できると言う、いかにも西洋的な合理主義の産物です。 とはいえ、マウスピースの大きさ、テーパー(相対する面が対称的に傾斜している円錐状の部分。また円錐のように、先細りの形になっていること)が合って、マウスピースの形にぴったりとフィットすると、効率良く鳴るようになります。 逆に言えばマウスピースの形に合わないとマグニトーンの特性が発揮されません。 以下はマグニトーンをコピーして現代に再現した、イタリアのBorgani社製のリガチャーです。 テナー奏者Joe Lovanoが使用した事で有名になったリガチャーですが、ご覧の通り縦のスリットがマグニトーンよりも細かく設けられていて、マウスピースの微妙な太さに更に合致します。実はこのスリットはサウンド面や見ため的な要素もあるかも知れませんが、大きさを調整するツメを入れるためのものなのです。 マグニトーンの肝心のサウンド、吹奏感ですが、薄くて華奢な形状からは想像出来ない、タイトでしっかりとした音色、豊かな倍音成分、素早いレスポンスです。 銅製は洋白よりも丸い、幾分木管的なサウンドです。どちらかと言えば洋白の方がマグニトーンらしさが出ています。 難点としてはチューニングの際にズレ易い、マウスピースに傷が付く場合がある、前述の通りしっかりフィットするマウスピースが限られる、です。 じゃあスリットの多いBorgani社のリガチャーが良いのでは、と言う事になりますが、これが素材の違いなのか、Borganiの方が幾分厚く作られているからなのか、マグニトーンの音色、吹奏感に明らかに軍配が上がります。 現行のセルマー社サックスとビンテージ・セルマーの違いと言ったところでしょうか。  

2017.05.21 Sun

シングルスクリュー・リガチャー第2弾‼️

セルマー・シングルスクリュー・リガチャーに続く別のリガチャーです。

作りや形状は前回のセルマー社のリガチャーにそっくりです。リードにあたるプレートが厚めでそこは独自の形をしています。ブランドやメーカー名は何処にも記載されていませんが、Pageというメーカーのリガチャー、いやKeilwerth社の物だという話を聞いた事があります。 全体的に少し大振りな仕上がりです。 メッキもしっかりかかっており、マウスピースの装着感もタイトでリードの固定感もバッチリです。印象としては「これはイケそうだ!」と予感させますが実際の使用感は、と言うと、 これがひたすら「重い」んですね。 最初に息を入れた感じは悪くありませんが、更に入れようとすると入りません。まるで背後から羽交い締めされているかのようです。振動が止まり倍音成分も希薄な感じで「硬い」サウンドです。この個体の個性なのかと思い更に同じリガチャーを2個、合計3個試してみましたが、いずれも殆ど同じ吹奏感でした。リードの番程を下げる、違うタイプの物に変える等試してみましたが印象は殆ど変わりません。 思うに「こう言う形のリガチャーを作ろう」(セルマーの事ですが)、このunknownメーカーはそれがまず始めにありきでの作成、プレイヤーサイドの要望、意見を取り入れず「作れば何とかなるだろう」的などんぶり勘定が支配したのでは、と感じられます。 実際eBayに出品されているこのリガチャーは重くて使いきれなかったのか、美品がとても多いです。  

2017.05.20 Sat

セルマー・シングルスクリュー・リガチャー・シルバープレート‼️

先日eBayでリガチャーネジ60本落札を報告しましたが、今回はリガチャーです。

セルマー・シングルスクリュー・リガチャー・シルバープレート・テナーラバー用。   Theo WanneのサイトにあるMouthpiece Museumによると、このタイプのリガチャーは1958年に発売されたそうです。 オットーリンク・メタルのリガチャーと同じ、大きなシングルスクリューで下からプレートをリードに圧着させて押さえるシステムが採用されており、リードとマウスピースの関係としては理想的だと思います。因みにセルマー・メタルマウスピース用はこちら。 両方とも実にしっかりとした作りで当時のセルマー社の職人の意気込み、情熱を感じます。さすが歴史ある楽器メーカー、憎いほどネジの作りが確実でアソビが有りません。そして分厚いプレートが特徴的、効果的です。 肝心のサウンド、吹奏感ですが、セルマー2本ネジ下締めに比べ、幾分抵抗感は増しますがレスポンスの素早さ、吹奏感の安定度、倍音成分の豊富さ、雑味のゴージャスさ、フラジオ音域の確実さ、自分の好みですが全て申し分有りません。   こちらは同じタイプでラッカー仕上げのもの。 全く同じ作りですが、こちらはとても良く使い込まれており、プレート部分のラッカーが完全に取れています。 ビンテージ・セルマー・マークⅥやスーパー・バランスのラッカーが剥げた楽器のような渋い味わいのあるサウンドですが、金属疲労とまでは行かずともレスポンスの速さは結構落ちます。 今回落札したこのシルバーのリガチャーは奇跡的に殆ど使われておらず、新品に近いクオリティを維持しています。 出品者の話によりますとセルマー・エアーフロウ・モデルのマウスピースに付属した状態で入手、マウスピースはこのモデルを探していた友人に譲り、リガチャーのみを出品したそうです。 1958年ごろエアーフロウ・モデルのマウスピースを購入すると、このリガチャーが付属で付いてきたのかも知れません。 大変丁寧な作り、仕上げのリガチャーで、ゼヒ現代のテクノロジーで再現して発売して貰いたいですが、間違い無くかなりの価格になりそうです。  

2017.05.10 Wed

逆転裁判15周年記念オーケストラコンサート無事終了‼️

異議あり‼️   このセリフでお馴染みです。アニメやゲームで大人気の逆転裁判。

2017年5月6日「逆転裁判15周年記念オーケストラコンサート」

出演:東京フィルハーモニー交響楽団

佐藤達哉(as,ts)

会場:上野・東京文化会館

無事終える事が出来ました。

2,300人収容の大ホール、昼夜2部とも5階席まで満席、ステージではアニメの映像もスクリーンに映され、普段は打ち込みで演奏される名曲の数々も華麗なオーケストラでの文字通り生演奏‼️

観て聴いて、ファンの皆さんとても喜んでおられました。

東フィルに入って2曲演奏させて頂きました。当日のコンサートはレコーディングされ、いずれCDやネット配信での販売を考えているそうです。

演目のうち1曲はテナーサックスをフィーチャーした美しいメロディのバラード。リリカルでゴージャスなストリングス、ウッドウインズ、ブラスを配したオーケストラをバックにメロディを吹いていると、名盤Claus Ogerman / Michael BreckerのCityscapesでの名演を思い浮かべてしまいます。

いずれ全曲オーケストラをバックに自分のコンサートを開いてみたいと心から思いました(^_^)v

2017.05.05 Fri

リガチャーネジ60本‼️

先日eBayのオークションでリガチャーネジ60本セットを落札しました。 と言っても他に誰も入札する人がおらず、開始価格での落札でした。落札する僕も僕ですが(笑) ネジ無しのリガチャー本体30個(ネジ2本づつ使用のため)が出品される日がいつか来るかも知れません(爆) 日頃からネジによる楽器の振動の違いに興味があり、カドソンの輸入元の中島楽器にサックスのネジ全てを全て洋白(洋銀とも言います)で作って貰いました。これは好評につき製品化されています。 ネジの中でも特に興味があるのがリガチャーのネジです。最近(と言っても随分と前からですが)鋳物で作られた、リガチャーの様なリードの振動を伝える、コントロールするパーツに全く不向きなネジを用いての物を見かけますが、やはり削り出しのネジに勝るものはありません。 今回落札した60本は全て削り出しのネジで、モノによってはその形状から1940〜50年代と推測される物も何本か含まれています。比較的新しいネジも実にしっかりした個体ばかりです。一体どんな人が出品したのかにも興味がありますが、その点はまた後日に回しましょう。60本のネジはしっかり3種類のネジピッチに分類されました。     ①セルマー ②ウッドストーン ③ハリソンやマーチン等のアメリカン(インチ仕様) インチ仕様に40〜50年代のビンテージネジが多かったです。   後期ハリソンや現行品のメーカー違いハリソン形状のリガチャーには鋳物ネジが使われていますが、これに削り出しネジを使うとあまりの鳴り、音色の違いに驚きます。 倍音が多く含まれ吹奏感がアップし、幾分抵抗感が増えますがよりエアーが入るようになり、むしろコントローラブルになります。 またセルマーやウッドストーンに交換可能なネジの中には通常の物より質量重め、形状もしっかりした物があり、こちらに交換するとやはり吹奏感がとても変わり、タイトな吹き心地になります。  

2017.05.05 Fri

Stan Getz Live At Newport 1964

最近良く聞いているのがStan Getzです。 学生の頃はGetzのテナーの音色があまりにもシューシュー、ガサガサと聞こえてその本当の良さが分かりませんでした。 酒の好みが20代はビールやサワー等の飲み易いものから、加齢を重ねてバーボン、紹興酒、芋焼酎等の「臭い」酒に移り変わったのと同様に(笑)、Getzの音色が堪らなく好きになりました。 特に好みがオットーリンク・スラントを使っている頃の1960年代の演奏です。 50年代末からヨーロッパに移住し、地元のリズムセクションと共演を重ね、60年頃にアメリカに戻った時から音色がグッと逞しく太くなり、フレージングも一層淀みない安定したものになりました。何よりタイム感が完璧と言って良いほどの境地に達しました。 そんな彼の絶好調な時期の演奏を収録したCDがStan Getz Live At Newport 1964 未発表作品とは信じられないクオリティの演奏、そして録音状態が素晴らしいです。 ts) Stan Getz vib)Gary Burton b)Gene Cherico ds)Joe Hunt 、そしてスペシャルゲストに米国のジャズフェスティバルに初出演のvo)Astrud Gilberto、加えてtp)Chet Baker。 当時のレギュラーメンバーにゲストを加えた形です。 Phil WoodsのWaltz For A Lovely Wife、EllingtonのTonight I Shall Sleep、Michael GibbsのSweet Rain等の選曲もマニアの好みを擽ります。GetzのMCにもメチャ毒があって大変楽しいです。

2016.02

2016.02.16 Tue

リー・コニッツ / ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡

ここのところずっと、ちびちびと、味わいながらリー・コニッツの自伝を読んでいます。 image こんなに面白くて良いのでしょうか?(笑) 毒舌、本音で物事を語る、歯に衣を着せない、徹底した音楽に対する価値観、美学。 10年前に読んだとしたらあまり分からなかったかも知れません。逆に10年後読み返すとまた沢山の発見がありそうです。 演奏に対して「つまり準備しないということだ。ところがそのためにはたくさんの準備が必要なんだよ!」考えさせられました。 このCDを引っ張り出して聴いています。 image もう一枚。 image この本を読んでからまた聴こえ方が違って来ました。            

2015.07

2015.07.19 Sun

HIBI★Chazz-K新譜発売!

2015年7月15日HIBI★Chazz-Kの新譜、Happy Sax Hit Express 2015がポニーキャニオンより発売になりました。image   昨年メジャーデビューでリリースしたCD、Happy Sax Express 2014がいきなり日本レコード大賞企画賞を受賞という快挙を成し遂げました。サックス4人+パーカッションという編成で地道にストリート・パフォーマンスを展開し、ひび則彦の緻密なアレンジによるバンドのアンサンブルをギグをこなす毎に確実なものにし、新作は更に充実した内容になりました。 image 前作にも参加させて貰いましたが、新作でも僕は4曲(1.TANK! 2.ルパン三世のテーマ 15.軍師官兵衛メイン・テーマ 17.DONNA LEE)で演奏、ソロもとっています。 ゲストのサックス奏者、土岐英史、藤陵雅裕、そして日本サックス協会会長の石渡悠史全員、僕と同様にひび則彦の師匠です。更にHIBI★Chazz-Kに新加入のアルト奏者染谷真衣は現在でも僕に師事しています。友情参加のアルト奏者萩原優も僕に師事していました。 2015年8月15日(土)瑞江東部フレンドホールで開催されるHIBI★Chazz-Kのコンサートに僕もゲスト出演します!            

2015.06

2015.06.29 Mon

Metalution@田沢湖オラエ

6月26日(金)は田沢湖ジャズ倶楽部主催のMetalution(佐藤達哉、浜田均Duo)コンサート。美しい田沢湖畔に佇む地ビールレストラン、オラエで演奏しました。田沢湖ジャズ倶楽部は23年の歴史があり、我々の今回のコンサートで58回目を迎えました。国内だけでなく海外からのミュージシャンも多数出演する名門ジャズ愛好会と言えます。 風光明媚な田沢湖、美しい自然、スタッフの方々に暖かく迎えて頂き、我々演奏の機運が高まっていました。ビブラフォンの生演奏を初めて聴くと言う方がほとんどで、我々の演奏を大変熱心に聴いて頂き演奏はとても盛り上がりました。有難うございました! image      

2015.06.11 Thu

Do Jazz Senzoku 2015

7月5日洗足学園音楽大学 前田ホールにて行なわれるDo Jazz Senzoku 2015に僕のリーダーセッションで出演します。(メンバーはスケジュールを参照して下さい) ボーカリストChakaを2曲フィーチャーしますがその内一曲はPatti Austinの名唱でお馴染みWait A Little While。
あまりに懐かしいのでCDを引っ張り出して聴いてしまいました。
image イヤ〜懐かしい演奏ですね(^o^)/ しかも昔とは聞こえ方が全然違います! あまりに素晴らしい演奏なのでレコードまで引っ張り出して聴いてしまいました!! image レコードの音質の方がふくよかでテイスティ、おまけにミックスの関係でMichael Breckerのテナーの音が更に前面に出ています。 たまりません!!!  

2015.06.01 Mon

HPリニューアル・オープンしました。

HPリニューアル・オープンしました。

ブログも始めようと思います。

 

普段練習していて気がついた事、

新しく作曲やアレンジが出来た時、

サックスの奏法よもやま話、

楽器やマウスピースやリガチャー、

リードについて、

インプロビゼーションについて等、お話しして行こうと思います。

 
2015.05.23 吉祥寺・サムタイム/METALUTION

2015.05.23 吉祥寺・サムタイム/METALUTION