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2017.09

2017.09.19 Tue

Jack Wilkins / You Can’t Live Without It

今回取り上げるのは、ギタリストJack Wilkinsのリーダー作「You Can’t Live Without It」(1977年10月31日NY録音)。 g)Jack Wilkins ts)Michael Brecker flh)Randy Brecker p)Phil Markowitz b)Jon Burr ds)Al Foster   Side A 1.Freight Trane 2.What’s New / Side B 1.Invitation 2.What Is This Thing Called Love? 77年当時Michael Breckerが参加したレコードでアコースティックな作品は数が少なく、更にジャムセッションで取り上げられるようなポピュラーなナンバーばかりを演奏した例は他にありません。 そしてこれが実に素晴らしい内容で、僕はこの演奏でMichael Breckerに開眼してしまいました。   録音されたレコードはその瞬間の演奏、スタジオ内の雰囲気を全く真空パックにして封じ込めたものです。 特にジャズのような打ち込みやオーバーダビングを基本的に行わない(実はBlue Note Labelの名盤やMiles Davisの作品の幾つかは違っていたようですが)一発勝負の録音には、生々しいほどに録音現場の情景が浮かび上がる場合があります。 この「You Can’t Live Without It」は収録された4曲がスタンダードやジャズマンのオリジナルで、ほとんどアレンジも施されていない点からリハーサルを行ったとしても別日に一回、もしくは録音当日にリハーサルを行って準備が出来、『さあ、テープを回してくれ』的なラフな状態で演奏されたように思います。 そしてこの手のセッションでは往々にしてどこか音楽的に隙間風が吹く物足りなさ、統一感の希薄さを聞かせてしまいますが、この作品は極めて高度な次元で演奏が展開されています。 メンバー全員が一丸となってクリエイティヴに音楽を作り上げる姿勢が収録曲全てから、一瞬の緩みもなく、お互いの音を聴き合い、究極一音も無駄な音が存在しない高みにまで演奏が昇華している様に聞こえます。とにかく自然体なのです。 それはリーダーJack Wilkinsの人柄、音楽性から?メンバー6名集合体の相性から?プロデューサーの采配によるもの?レコーディングスタジオの雰囲気から?ここまで一体感のあるセッション・レコーディングに仕上がるには、必ず何か必然、理由があるはずです。 かつてMichael Breckerに会うたびに色々な話をしました。質問といっても良いかも知れません。それこそ音楽的な事に始まり、彼の両親兄弟家族について、食べ物の嗜好、休日の過ごし方、好きな映画について… 彼はどんな質問にも丁寧に分かり易く答えてくれましたが、残念ながら気になっていたこの作品のクオリティの高さが何に起因するのかについて、尋ねる機会を逸してしまいました。 この作品のレーベルChiaroscuro Recordsにも気になる点があります。現在も作品をリリースしているChiaroscuro(絵画用語で明暗法、キアロスクーロ)RecordsはEddie Condon(cl)、Earl Hines(p)、Ruby Braff(cor)、Buck Clayton(tp)、Bob Wilber(ss)、Mary Lou Williams(p)、Al Grey(tb)といったいわゆる「中間派」(1950年代に存在したジャズの演奏スタイルのうち、バップにもスイングにも分類されないスタイルの総称)ミュージシャンの作品ばかりを制作しており、この「You Can’t Live ~」はレーベルのカラーに反して全く毛色の異なるミュージシャンによる、異色な内容の作品に仕上がっています。 Jack Wilkinsにはこの作品の前にもう一枚同レーベルからリーダー作がリリースされています。 1977年2月NY録音「The Jack Wilkins Quartet」 g)Jack Wilkins flh)Randy Brecker b)Eddie Gomez ds,p)Jack DeJohnette   Side A 1.Fum 2.Papa, Daddy And Me 3.Brown, Warm & Wintery / Side B 1.Buds 2.Falling In Love With Love 3.500 Miles High Randy Breckerのワンホーン・カルテット、Eddie GomezにJack DeJohnetteという素晴らしいリズム陣、彼らメンバーのオリジナルを取り上げた、内容的にはこちらも”コンテンポラリー・ジャズ”です。 上記2枚のレコードを1枚のCDにカップリングしたものが「Merge」(合併)というタイトルで1992年Chiaroscuroよりリリースされています。残念ながら「The Jack Wilkins Quartet」の方から収録時間(77分30秒!)の関係からか1曲カットされていますが、大変お得なCDですね(笑) そして後年「The Jack Wilkins Quartet」のリズムセクションにMichaelとRandyの2管を加えたJack Wilkins Chiaroscuro Records総まとめ?的な作品「Reunion」を2000年12月11日NYで録音、やはりChiaroscuro Recordsから2001年にリリースしています。惜しむらくはMichael当時のレコード会社との契約の関係で3曲だけの参加になっていますが、テナーの音色が実に素晴らしく録音されています。 この演奏についてはMichaelに尋ねた事があります。収録曲Horace SilverのオリジナルBreak Cityでのソロ、いつものようにカッコ良いには良いのですが、何だかちょっと変です。落ち着きが無いと言うか、いつになく音楽的ではなく同じBreckerフレーズの連発があり、「あれはどうしたの?」と聞くとMichaelさんちょっと困ったような顔をして「スタジオのブースがとても狭くて演奏し辛かったんだ」と答えてくれました。どうも別の理由がありそうな返答の仕方ですが、演奏的不具合は本人にも覚えがあったのですね。 それにしてもJack Wilkins + Chiaroscuro Records = Contemporary Jazzには一貫した流れがあります。 今一度Chiaroscuro Recordのリリース・カタログを調べるとJack Wilkins以外全てが前述の「中間派」のミュージシャンの作品で完璧に占められていました。「You Can’t live ~」のスポンテニアスな素晴らしさには何かレーベルとの関わり具合が関係していても良さそうな気がします。 この写真は1977年当時のMichael Breckerのアンブシュアのクローズアップです。使用マウスピースはOtto Link Double Ring 6番、これはクラリネット奏者Eddie Danielsから譲り受けたものです。リードはLa Voz Medium Hard、リガチャーはSelmer Metalテナー用。テナー本体はSelmer MarkⅥ 67,000番台。勿論この「You Can’t Live ~」の演奏も含め、この当時(76年頃から78年頃まで)のMichaelの数々の名演、例えば「Heavy Metal Be-Bop」「Blue Montreux」「Sleeping Gypsy」「Browne Sugar」を生んだセッティングです。76年末頃にマウスピース、楽器いずれも入手したようです。   「You Can’t live Without It」に話を戻しましょう。僕がこのレコードを初めて聴いたのは78年夏頃、当時行きつけのJazz喫茶で新譜として壁にディスプレイされていました。アルトからテナーに転向したばかりの僕はElvin Jonesの「Live At The Lighthouse」がバイブルのような存在で、Dave Liebman、Steve GrossmanらのいわゆるColtrane派のテナー奏者がフェイバリットでした。Michael Breckerの演奏も勿論聞いていましたが、それほどの感銘を受けるものには出会っていませんでした。そしてこのレコードの登場です。 以前から感じているのですが、John Coltraneは1955年Miles Davis Quintetに大抜擢も56年にドラッグの悪癖のため一時解雇されました。その後クリーンさを取り戻したColtraneは56年から57年にかけて神の啓示を受けたかのようにテナーサックスの腕前が飛躍的に上達しました。時は20年を経て1976年、Michael Breckerも翌年77年にかけてやはり超人的に上達し、ワンアンドオンリーなスタイルを確立しました。前述のマウスピース、楽器の入手もかなり関係しているように思えますし、Michaelも神の啓示を受けたかもしれません。僕はついに77年当時のMichaelに出会えたのです。 素朴でシンプルな文字だけの黒地のレコード・ジャケットをジャズ喫茶の店主が指差し、「ブレッカーの入った新譜が入荷したよ」ということで早速リクエストしました。インターネットやyoutubeで幾らでも新しい情報を好きなだけ入手可能な今の若い人たちには、ジャズ喫茶でレコードをリクエストするという習慣がない、それ以前に知らないのでピンと来ないでしょうが、当時の我々にはジャズを知る唯一にしてベストの方法でした。 いきなりSide B 1曲目Invitationを聴きました。その時の事は店内の情景も含めて今でもはっきりと覚えています。 スピーカーから流れてくるテナーの音の洪水!!〜フレージングのアイデア、コード進行に対するアプローチ、スピード感、タイム感、タンギングの正確さ、完璧なまでのフラジオの使い方、当たり具合、華麗なテクニックの数々、テナーの音色の素晴らしさ、ストーリーの語り口の流麗さ、起承転結の的確さ… 演奏のあまりのインパクトに薄暗い店内、座っている席から立つことが出来なくなりました。身体が感動で打ち震える、なんだこれは一体? 膨大な量のテナーサウンドにもかかわらず、身体がにその情報量の全てをスムースに受け入れる、あたかも血液型やDNAタイプが全て合致した輸血や臓器移植であるかのように。このかつて無い体験を1枚のレコード鑑賞から出来たことに自分も驚きました。 「これだ!自分が目指すテナー奏者はMichael Breckerだ!このスタイルを掘り下げて研究しよう!」LiebmanやGrossmanにはない都会的でスマートなセンス、押し付けがましくない超絶技巧、明るさと仄暗さ、繊細さと大胆さ、演奏のバックグラウンドに感じる秘めたる情熱、努力と向上心。「見つけたぜ!」と20歳そこそこのサックス奏者は目を爛々と輝かせながら明日からの明確な目的を見出したのです。

2017.08

2017.08.14 Mon

Born At The Same Time / Steve Grossman

Steve Grossmanの代表作、1977年録音のBorn At The Same Time(OWL)を取り上げてみましょう。 ts,ss)Steve Grossman p)Michel Graillier b)Patrice Caratini ds)Daniel Humair Recorded In Paris, November 25th 1977       Steve Grossmanは18歳でWayne Shorterの後釜としてMiles Davis Bandに大抜擢、約1年間ほど在籍していた模様です。この時の映像を新宿DUGのオーナー、写真家として知られる中平穂積氏がNew Port Jazz Festivalにて録画したものを見たことがありますが、大御所にして圧倒的な存在感のMiles Davisの横で堂々たるプレイを繰り広げていました。レコーディングでは”Jack Johnson””Big Fun””Bitches Brew”を始めとして、ソプラノサックスでの演奏が殆どですがそこではテナーを吹いていました。 早熟の天才、10代前半にアルトサックスを始めてすぐにCharlie Parkerのスタイルで演奏出来るようになり、テナーに転向後Miles Bandに参加という華々しいと言うか、前人未到、とんでもない経歴の持ち主です。以前Blogで取り上げたEddie Danielsもそうですが、ユダヤ系白人サックス・プレイヤーの代表格の一人です。 New York州Long IslandのHicksville出身、裕福な家庭に生まれ育ちましたが、ミュージシャンとして自立すべく、新聞配達の仕事をしていた時期もあるそうです。兄はトランペット奏者Hal Grossman、Berklee音楽院の講師を務めており、この兄の影響でサックスを始めたと言われています。弟の名前はMiles Grossman、特に管楽器奏者、ミュージシャンではないようですが、現在Hicksvilleの実家に戻ったSteve Grossman、全くテクノロジー関係に疎いので(そもそも興味がないのでしょう)弟Milesがインターネット関係(それこそメールの代筆等)で兄を手助けしているようです。 ところでアルバムタイトルのBorn At The Same Timeの意味するところは何でしょう?考えられるのは参加ミュージシャン4人が同世代に生まれたからでしょうか。ミュージシャンの生年月日を挙げてみましょう。 Steve Grossman(ts,ss) 1951年 1月18日 Michl Graillier(p) 1946年10月18日 Patrice Caratini(b) 1946年7月11日 Daniels Humair(ds) 1938年5月23日 ピアニスト、ベーシストは確かに同年生まれですがGrossmanとは5年違い、ドラマーとは13歳も歳が離れています。同世代とは言い難い年齢差ですが、Grossmanは何しろ18歳1969年から第一線、ジャズ界最先端で演奏しています。5歳13歳の年齢の違いは関係無く、音楽的な経験値のみ捉えてみれば同世代の4人と言えるのではないでしょうか。このアルバムの演奏内容、驚異的なインタープレイの連続を聴くとまさに同世代に生まれたミュージシャン達ならではの、彼らだからこそ成し得たクオリティの演奏と聴く事が出来ます。 だとしたらメンバー全員の写真、せめてレコーディング風景の写真をレコードジャケットに掲載すればアルバムタイトルとの統一感が出るものを、Grossman本人と当時のガールフレンド?奥方?とのツーショットが見られるだけです。Miles Davisのアルバムで何枚か当時のガールフレンドの写真を用いたジャケットがありますが、Miles Band出身のGrossmanならではのセンスかも知れません。   Miles Davis Bandを退団し、その後Elvin Jonesのピアノレス・カルテットにて盟友Dave Liebmanとのツーテナーで名盤Live At The Lighthouseを72年に録音、この演奏でジャズ・テナーサックス界に不滅の金字塔を建てました。ワンアンドオンリーなフレージング、50年代のSonny Rollinsを彷彿とさせるタイトでグルーヴィーなリズム感、Jonh ColtraneとBen Websterの融合とも言えるダークでエッジー、コクがあって極太のテナーサウンド…カリスマ・テナー奏者としてジャズ界知らぬ者は無い存在になりました。そして何と言ってもGrossmanこの時まだ21歳!無限の可能性を秘めた若者、その将来を嘱望されていました。             73年以降の活動:同年自身の初リーダー作”Some Shapes To Come” 74年録音Elvin Jones Quartet”Mr. Thunder” 75年Gene Perla(b)Don Alias(perc,dr)とのグループ”Stone Alliance” 75, 76年録音自身のリーダー作”Terra Firma” そして本作77年Born At The Same Timeに繋がりますが、早熟の天才プレイヤーにありがちな破天荒な行いが次第に目立ち始めます。大量の飲酒行為、ドラッグの使用での人格破綻、奇行、晩年のJaco Pastoriusを思わせる状況が見られるようになります。 Stone Allianceのヨーロッパツアー中にGrossmanが1人暴走(他メンバーのGene Perla、Don Aliasは温厚なタイプのミュージシャンでしたが)のため空中分解しツアーを途中でキャンセル、Elvin JonesはGrossmanの演奏をいたく気に入っていましたが、マネージャーを務めるElvinの奥様ケイコ夫人に素行の悪さからかなり嫌われていたようです。Grossmanは体力的にも強靭なものがあり、「25歳までは1週間徹夜しても平気だった」と発言していましたが、かなりドラッグの摂取も頻繁で「新しいクスリのやり方が流行ったとしたらそれを考えたのはSteveに違いない」とまで周囲から言われていました。 Grossman自身の発案か、レコード会社のアイデアか分かりませんが、それまでのGrossmanの集大成と言える”Born At The Same Time”が77年11月25日Parisで録音されました。 前述のStone Allianceのヨーロッパツアーが77年8月27日Austria Wiesenを皮切りに10月29日英国Londonまで挙行されました。その最後のLondon Ronnie Scott’s公演中でまさに空中分解したのです。 何とこの事件の1ヶ月後にヨーロッパの精鋭たちを集めてBorn At The Same Timeは録音されました。そのままヨーロッパに滞在していたかも知れません。 全9曲Grossmanのオリジナルで構成されています。CD再発時にはピアニストGeorge CablesのオリジナルLord Jesus Think On Me(Think On Meという曲名で作曲者が録音しています)が追加されていますが、アルバムのコンセプト、演奏のクオリティからオクラ入りしたのはうなずけます。 とにかく楽器の音色が凄まじいのです。テナーマウスピースはデビュー時から使用しているOtto Linkのメタル最初期(30~40年代)のモデル”Master”を使っています。それこそBen Websterもこのマウスピースを生涯使っていましたがチェンバーの広い、ダークでメロウなサウンドのマウスピースを使ってGrossmanはどうしてあんな凄まじい音がするのかは謎です。オープニングは多分5★か6番、リードはリコの4番を使っていたそうです。1970年代中頃来日した時に一緒に演奏した土岐英史氏から聞きましたがGrossmanのマウスピースにはボディに穴が空いていて、そこにマッチ棒を入れて遊んでいたそうです。もちろん内部に貫通はしていなかったでしょうが、かなり「へたった」状態のマウスピースには違いありません。テナー本体はSelmer MarkⅥの恐らく14~16万番台、ソプラノもSelmerでマウスピースもSelmerメタルのDかEを使っていたようです。ソプラノの録音された音色が生々しいのはベルを直接マイクに当てて演奏しているからです。 このアルバムの音色は80年代の演奏に比べると深さが全く違います。デビュー時から使っている自分の楽器、マウスピースで演奏したのは間違いないでしょう。 80年代に入ってからの話ですが、金策のためにテナーを質屋に入れて楽器が流れてしまったり、自分の弟子に楽器を借り、在ろうことかその他人の楽器を質屋に入れてしまったり(Charlie Parkerに同様の逸話がありますね)、自分のソプラノをNew Yorkでタクシーに置き忘れそのまま出てこなかったり、来日時に楽器を持参せず日本人ミュージシャンに借りたり(実は僕もしばらくテナーを貸したことがあります)87年録音Our Old Frame / Steve Grossman With Masahiro Yoshida Trioの時には僕のソプラノでNew Moonや415C.P.W.を演奏しています。   それにしてもこの天才テナーサックス奏者、自己管理能力は明らかに欠如していますね。 80年代はとうとう自分の楽器やマウスピースを持っていない時期があり、ギグや録音がある時に弟子に借りていたようです。Jerry Vejmola、Jeff HittmanらがそのGrossmanを支えた弟子たちの名前です。 Grossmanのテナーの音色は奏法の勝利と言え、たいていの楽器でGrossmanの音がします。86年87年の来日時にセッションでステージを共にしましたがその音色の物凄さ、音圧感、タイムの素晴らしさ、スイング感、そして最も驚いたのがアンブシュアの緩さ、ルーズさです。演奏中マウスピースを咥えていても左右に動き、口に対して抜き差しされるのです! Grossmanの特徴音の一つ、フラジオA音を「ギョエイイ〜」と出している時にもアンブシュアはゆるゆるです!本人に「マウスピースに歯は載せていないの?」と質問しましたが「ちゃんと乗せている」と答えが返ってきました。ダブルリップではなさそうです。   収録曲の演奏に触れて行きましょう。1曲目から6曲目がいわゆるレコードのA面、7曲目から9曲目がB面に該当します。全体的に組曲風なコンセプト・アルバム仕立てになっています。 1、4曲目のCapricorneは同じ曲でテンポも演奏時間もほとんど同じ、Daniel Humairのシャープなドラミングが各々のテイクに異なった彩りを添えています。2、4曲目のOhla Gracielaは若干テンポが異なり、別テイク的な関係にある演奏で、更に3曲目Plaza Franciaもほぼ同一曲、Patrice CaratiniのベースソロがフィーチャーされGrossmanはソプラノでソロを取ります。5曲目March Nineteenも傾向としては同じ曲ですが、Grossmanのオリジナル曲の独創的なメロディライン、ベースパターン、コード感が同一傾向曲が並ぶくどさよりもむしろ統一感を感じさせ、レコードのA面はGrossmanのオリジナル・サウンドを表現しています。 B面は一転してハードな演奏サイドです。7曲目A Chamadaはフランス語で「叫び」を意味します。エドヴァルド・ムンクの「叫び」、こちらは北欧ノルウェーですね。本作品の要の演奏で9分16秒にも及ぶGrossmanの叫びが延々と聴かれます。リズムセクションのテンションも尋常ではありません。テナーの演奏に完璧なまでに追随しています。ソロイストとリズムセクションのインタープレイの、ある種理想な形の名演と捉えています。何度聴いても背筋がゾクゾクするフレージングの連続、ソロの構成、4人一丸となったまさに絶叫!唯一残念なのは8’47″でテープが編集されている点です。恐らくGrossmanはまだ延々とソロを取り続けていたのでしょう。レコード収録時間の関係でカットされたに違いありません。いずれコンプリートな演奏を聴きたいものです。え?墓場荒らし?滅相もないことを言わないで下さい。僕は純粋にテナーサックスの名演を聞きたいだけです。 8曲目Pra Voceで叫びから癒しに場面転換を果たしています。この曲のサウンドもまさにGrossmanワールドそのものです。 アルバムの締めくくりはもう一つの白眉の演奏Giminis Moon。いつものGrossmanの作風とは異なるオリジナル、リディアン系のサウンドです。Grossmanの演奏は言わずもがな、この演奏でDaniel Humairの素晴らしさを再認識しました。ピアニストMichel Graillierも大変センスのあるプレイをしています。   以降80年代に入りGrossmanは全く第一線から遠ざかり、New Yorkでタクシーの運転手で生活したり(でもアブナイ彼の運転でタクシーには乗りたくありませんね)隠遁生活を送っていましたが、ドラマー吉田正広氏が再び彼をジャズシーンに引っ張り出しました。いずれその話もこのBlogで取り上げたいと考えています。   最後に、20年前にBorn At The Same Timeが東芝EMIから国内発売された時のCDライナーノーツ、僕が書いていました。自分自身すっかり忘れていましたがこのライナーを読んでしまうと20年前に書いた内容に捉われてしまうかもしれないと懸念し、敢えて読みませんでした。Blogが書き上がったのでこの後読んでみます。    

2017.08.04 Fri

The Message / JR Monterose


前回投稿のJohn Coltrane海賊盤でもジャケ写が登場しましたが、今回はしっかりと取り上げたいと思います。

テナーサックス奏者JR Monteroseの代表作、The Message ts)JR Monterose p)Tommy Flanagan b)Jimmy Garrison ds)Pete La Roca 1959年11月24日 ニューヨーク録音 この作品自体大変レアですが、発売元のレーベルJaroも1950年代末に僅か5枚のレコードをリリースしただけで消滅してしまいました。 でもこの大名盤The Messageを世に出した功績は大きいです。 いわゆる幻の名盤という範疇の最右翼、Straight Aheadというタイトルで75年に再発されるまで、このアルバムの存在はマニアの間でしか知られていませんでした。 その後何度か再発され(タイトルも本来のThe Messageに)、現在では比較的容易に入手できる状態です。 僕はジャズ喫茶世代の出身ですが、行きつけのジャズ喫茶にこのレコードがあり、店のマスターに紹介されあまりの素晴らしさに貪るように何度も何度も聞いた覚えがあります。 また都内のとある廃盤専門のレコード店で、30何年か前に数十万円の値札と共に壁にディスプレイされていました。 「わっ!あった!!欲しい〜!」とゼロの数を一つ見誤りつつ購入を一瞬考えましたが、金もない貧乏な駆け出しミュージシャンがその価格で買える訳がありません。泣く泣く諦めました。 今でもレコードを自宅で聴く時があり、数枚持っているオリジナル盤でその音質や奥行き、空気感の素晴らしさにため息が出る時があります。この大好きなThe Messageをオリジナル盤レコードのゴージャスな音質で聴けたらさぞかし幸せだろうな、と想像する時があります。今ではオリジナル盤はその頃の何倍もするでしょう、叶わぬ夢を見つつ、本当に欲しいものはその時に借金をしてでも買わなければ後悔するぞ、と自分に言い聞かせています。                           ここでJR Monteroseの演奏が聴かれるアルバムを何枚か挙げて見ましょう。 Charles Mingus / 直立猿人 Kenny Dorham and The Jazz Prophets Vol.1 J.R. Monterose Rene Thomas Quintet / Guitar Groove                   実はいずれのアルバムでもJR Monteroseのプレイは凡庸なのです。Mingusの直立猿人ではリーダーの圧倒的な存在感に全く霞んでいますし、Kenny Dorham and The Jazz Prophetsはタイトル倒れの様を呈しています。Blue Noteに残されたリーダー作JR Monteroseでは別人かと見間違えるほど覇気が感じられませんし、ギタリストRene Thomasのアルバムでも気の毒なくらい自分を出し切れていません。 JR Monteroseにはまだ他にきっと名演奏があるに違いない、と一時探しましたが見事にありませんでした。The Messageの演奏が独立峰の如く燦然と輝いているのです。   さて大変前置きが長くなってしまいましたが、The Messageの内容に触れて行きたいと思います。 GIカットにスーツ姿、カッコ良いですね。楽器はセルマー・スーパー・バランスド・アクション・シルバープレート、マウスピースはOtto Link Metal Super Tone Masterとお見受けしました。 マウスピースのオープニングは6番7番くらい、リードはとっても硬めで4番か、もしかすると5番をお使いでしょう。でなければあの最低音域の爆発は得られません。 何と言ってもJRさん、本当に音色が素晴らしい!!僕の超×超好みです。John Coltrane流のエッジーなタイトネス、Otto Lomkの持つ臭み、ホゲホゲした音色にBen Webster張りのザワザワなサブトーン、豊かなビブラート、最低音域の「バッフン!」「ボギャン!」とまで聞こえる強烈なタンギング、発音、もう完璧な理想です。ホゲホゲ、ザワザワでバッフンですよ(笑)やっぱりテナーサックスは音色が命です。次に選曲が実に良いのです。 1) Straight Ahead (JR Monterose) 2) Violet For Your Furs (Matt Dennnis) 3) Green Street Scene (JR Monterose) 4) Chafic (JR Monterose) 5) You Know That (JR Monterose) 6) I Remember Clifford (Benny Golson) 7) Short Bridge (JR Monterose) 全7曲中5曲がJRのオリジナル、多くがハードバップの範疇にありますがその枠を超える新しいテイストを感じさせる曲想、構成のよく練られた楽曲、さすが1959年11月録音、翌60年からの匂いがプンプンとします。 名プレイヤーは間違いなくバラードの名手でもあります。Violet For Your Furs(コートにすみれを)はJohn Coltraneが57年に録音した彼の初リーダー作”Coltrane”でも演奏されていますが、僕はJR氏の演奏に何の躊躇もなく軍配を挙げます。やっぱりバラードはサブトーンとビブラートが表現の決め手ですよ。 そして本作品のハイライト、この演奏がアルバムの秀逸さを決定づけました。Benny Golson作の名曲、交通事故で夭逝した天才トランペッターに捧げたI Remember Clifford。何千何万回と聴いたことでしょうか。冒頭のピアノの和音に続くテナーのlow Dの音が「バフン!」、バラードでこの音出しってアリですか?アリですよね、かと思えばサブトーン駆使しつつビブラートしっとりロングトーンのメロディ奏、ハードボイルドとスイートネスの同居がたまらなく好きです♡ 1曲目Straight Aheadに特筆すべき点があります。ピアノソロの後にテナーサックスとドラムスの2人だけのトレードが聴かれますが、これが素晴らしい!僕は予てからジャズはミュージシャン同士の会話だと考えています。気の合った仲間同士の楽しい会話と言い換えることもできます。お互いが演奏(発言)した事をしっかりと聞き合い、その演奏(会話)を豊かに膨らませて行く行為がジャズ演奏なのです。JR MonteroseとPete La Rocaのバトル演奏は僕にはある種の理想として聞こえます。 5曲目You Know Thatのテナーソロの構成もハンパないものがあります。モチーフを丁寧に、リズムセクションとの共同作業でしっかりと足並みを揃えて、ステップ・バイ・ステップで歌い上げて行くその様。実に、実に堅実でスポンテニアスなストーリーテラーと化しています。 ピアニストTommy Flanaganの邪魔にならない上に確実に音楽のツボを押さえたバッキング、ソロ、ベーシストJimmy Garrisonはリズムのスイートスポットをしっかりと押さえたラインでハードバップからの脱却の手助けをしています。そしてPete La RocaのドラミングのテイストがJR Monteroseの音楽性と全く合致していた点が、この名盤を生み出した一因となっています。

2017.07

2017.07.24 Mon

John Coltrane Live at The Jazz Gallery 1960

2011年にRLR Recordsというレーベルからリリースされた、John Coltraneのいわゆる海賊盤です。 内容の素晴らしさとレア度からご紹介したいと思います。

John Coltrane Live at The Jazz Gallery 1960

<Musicians> John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p) Steve Davis(b)Pete La Roca(ds) <Song List> 1)Liberia 2)Every Time We Say Goodbye 3)The Night Has A Thousand Eyes / CD One 4)Summertime 5)I Can’t Get Started 6)Body And Soul 7)But Not For Me / CD Two   1960年6月27日New YorkのGreenwich VillageにあったThe Jazz Galleryでのライブ録音2枚組です。 正式な録音ではないので音質は決して良くありませんが、演奏内容は本当に素晴らしいです。 絶好調のColtraneとリズムセクションとの組んず解れつの演奏、ここには幾つか特筆すべき点があります。 まずピアニストMcCoy Tynerが正式にJohn Coltrane Quartetに加入した直後の演奏という点です。 ColtraneはMiles Davis Quintet脱退後自分のカルテットをスタートすべく、多くのピアニストを起用しました。 Wynton Kelly、Cedar Walton、Tommy Flanagan、意外なところでCecil Taylorとも1枚作品が残されています。 ギタリストWes Montgomeryも一時参加したという話を聞いたことがありますが、Coltraneの長いソロの最中バッキングを 止められ、ステージでぼーっとしているのが嫌だったのでしょう、すぐ辞めてしまったようです。 Steve Kuhnも同じThe Jazz Galleryで1960年1月2月3月とその間約8週間Coltraneと共演を果たし、音楽的恩恵をColtraneから被ったと 述べています。Coltraneへの慈しみの想いで録音されたSteve Kuhnの作品がこちらです。 Steve Kuhn Trio w/ Joe Lovano “Mostly Coltrane” (ECM) このCDも名盤、そして愛聴盤です。Mostly Coltraneと名付けられただけに、収録13曲中11曲がColtraneのオリジナルやレパートリー、 2曲がSteve Kuhnのオリジナルです。この作品もいずれこのブログで紹介したいと考えています。   本題に戻りましょう。Steve Kuhnとの共演3ヶ月後、以降65年まで行動を共にする音楽的パートナーMcCoy Tynerが遂に入団しました。 ここでは既にMcCoyの個性が存分に発揮された演奏を聞くことが出来ます。リリカルで明快なタッチ、Coltraneの音楽に欠かすことの 出来ない”Sus4″ のサウンドが随所で聴かれます。何よりColtraneの長いソロの間、バッキングを弾かずじっと我慢出来る忍耐強さを持った ピアニストの登場なのです(笑) パズルのピースが一つ揃いました。この後暫くして最重要ピースであるドラマーElvin Jonesの加入、そして 程なくしてベーシストJimmy Garrisonが加わり、黄金のカルテットが出来上がる訳です。   ドラマーPete La Roca。Coltraneとの正式な録音は残されていないと記憶していますが、ここではハードバップから一歩飛び出た 素晴らしいドラミングを聴かせています。 60年録音Coltraneの作品”Coltrane Plays The Blues”にMr.Symsという曲が収録されています。 この作品にはBlues To Elvinという、盟友Elvinに捧げたナンバーが入っています。Pete La Rocaの本名はPete Sims、もしかしたら Mr.SymsとはPete Simsの事かも知れません。 Pete La Rocaの名演が以下の2枚で聴く事が出来ます。 Jackie McLean “New Soil”  (Blue Note) JR Montrose “The Message” (Jaro) この2枚も大好きな作品です。じっくりと取り上げて行きたいですね。   演奏曲にも触れてみましょう。 1曲目Liberia、Dizzy GillespieのA Night In Tunisiaにどこか似ているこの曲、アフリカのTunisiaではなく近くのLiberiaで辺りで 済ませたようです(笑)。しかしこの曲の演奏時間が凄いです、30分強!!長い!時は60年ですよ! 63年以降の欧州ツアーでImpressionsを40分、Live In JapanでMy Favorite Thingsを1時間演奏したColtrane、さすがに そこまでは行かずとも、ここでは20分近くテーマ〜ソロを吹き続けていますが、全く中弛みすることなくテンションと パワーを湛えた演奏を展開しています。その後ピアノ〜ドラム・ソロと繋がります。 60年当時で1曲の演奏時間が30分という例をColtrane以外(でも一体外の誰がそんなに長く演奏するでしょうか?)でも僕は聞いたことがありません。 でもオーディエンスは大喜び、お客様もしっかりColtraneの演奏について行ったようです。   もう1曲特筆すべきは5曲目のI Can’t Get Started、Coltrane自身がこの曲を演奏し、世に出ているのは恐らくこのテイクだけでしょう。 ソプラノサックスで演奏されていますが、驚くべきはコルトレーン・チェンジが施された構成で演奏されている点です。 Coltraneは60年当時、短3度と4度進行からなるコルトレーン・チェンジを数多くの曲に用いていました。代表作がGiant Stepsで スタンダード・ナンバー、例えばこのライブ録音に収録されているThe Night Has A Thousand Eyes、Body And Soul、But Not For Me、 他にもSatellite (How High The Moonのコード進行がベース。月に引っ掛けた衛星のシャレですね)、Fifth House (Hot Houseのコード進行、構成がベース)、 Count Down (Tune Upのコード進行、構成がベース。チューニングとカウントを引っ掛けてます) 、26-2 (Confirmationのコード進行がベース)。 推測するに当時Coltraneは片っ端からスタンダード・ナンバーをコルトレーン・チェンジ化をしていました。その中で上手く行った曲をレコーディングし、 世に出していたのでしょう。実際26-2はColtraneの死後に未発表テイクとしてリリースされました。演奏や曲の構成にもやや無理があるように 聞こえます。このI Can’t Get Startedも内容としては今ひとつの感を拭えません。   Coltraneファンとしては彼の未発表演奏の発掘をまだまだ心待ちにしています。前述のWes Montgomeryの共演を筆頭にお宝はきっとある筈です。 聴いてみたいものです。

2017.07.14 Fri

Pete Christlieb〜Warne Marsh Quintet / Apogee

昔からの愛聴盤、今でもちょくちょく引っ張り出して聴いているCDがこれ、

Pete Christlieb(ts) 〜 Warne Marsh(ts) Quintet / Apogee (Warner Bros.) 1978年録音&リリース、CDではボーナストラックが3曲追加されて2003年に再発されています。 Pete Christlieb、Warne Marshと言う全くタイプの違うテナーサックス奏者のテナーマッドネス、本当に素晴らしい作品です。 Sonny Rollins ~ John Coltrane、Gene Ammons ~ Sonny Sitt、Sonny Stitt ~ Sonny Rollins、Johnny Griffin ~ Eddie Lockjaw Davis、 Al Cohn ~Zoot Sims、 Dave Liebman ~ Steve Grossman、Michael Brecker ~ Bob Mintzer… ジャズ史上多くのテナー・バトル・チームが存在しましたが、Pete ChristliebとWarne Marshほど毛色の違うテナーサックス・バトルは聞いた事がありません。 極論を言うならばあまりのスタイルの違いから水と油の2人、テナー・チームとしてタッグを組むにはとても距離感があると言わざるを得ませんが、 彼等の界面活性剤的役割を果たしたのが本作のプロデューサー、Donald FagentとWalter Beckerの2人、言わずと知れたロック・グループSteely Danのリーダー。 テナー奏者を2人フィーチャーしたアルバムを制作するくらいですからテナー奏者好きは間違い無いでしょう。 Steely Danのアルバム”Aja”ではWayne ShorterをSteve Gaddのドラミングと共に大フィーチャー、Donald Fagenは自身のソロアルバム”The Nightly”で Michael Beckerの華麗なソロプレイを巧みに演出させていました。他にもJerome Richardson、Ernie Watts、Plas Johnson、Chris Potter等 スタジオミュージシャン・テナー奏者を起用、ここまでのテナー奏者との関わりは通常の範囲内ですが、Steely Danのコンサート演奏活動に この2人のプロデューサーのテナー奏者フェチが表れています。1994年の来日公演の際のホーンセクション、Cornelius Bumpus、Chris Potter、Bob Sheppardという 個性派テナー奏者3人衆!!Donald Fagen、Walter Beckerの2人は一体何を考えいるのでしょうか?テナー奏者好きにも程があります(笑) この2人のマジックにより2大テナーの演奏が見事に融合と相成りました。   Pete Christliebはアメリカ西海岸を中心としたスタジオミュージシャン、音色も明るめで何しろタンギングの達人、フレージングの滑舌の小気味良いこと。 明確なメッセージを湛えたアドリブ・ラインを聴かせてくれます。 Warne Marshも西海岸ロサンゼルス出身ですが、師レニー・トリスターノと共に東海岸ニューヨークで活動、クール・ジャズと呼ばれるスタイルで演奏し、 「ホゲホゲ」「モグモグ」「ガサガサ」を感じさせるダークなトーンと独自のアドリブラインで、ワン・アンド・オンリーなテナー奏者です。 サックスの音色やフレージングの滑舌はその人の喋り方が確実に反映されます。Pete Christliebはさぞかし明朗快活な分かり易い話しっぷり、 更に彼のニュアンスやフレージングから感じるのですが、冗談好きでおちゃめな雰囲気も併せ持っているかも知れません。 対するWarne Marshは「ぼそぼそ」とした喋り方でシニカルに物を言い、知的な話が好きですが人に自分の話を聞いて貰わなくても構わない、 委細かまわず好きな事を好きに話す、ちょっと偏屈なタイプの人かも知れませんね。 1曲目Magna-Tism(コード進行はスタンダード・ナンバーJust Friends)に2人のスタイルの好対照振りが表れています。 ハイライトはWarne Marashの後に続く2人の同時進行ソロ〜オーバーダビングによる多重奏(4重奏?)〜 絶妙な場所に訪れる不協和音のエグいハーモニー!何度聞いてもカッコいいです!! 続くピアノソロの後にはラスト・テーマが演奏されずそのままFine、とってもヒップ!この辺がプロデューサーたちの意向でテナーフェチのなせる技でしょう。 2曲目レニー・トリスターノ作の317 E. 32ndのエンディングも素晴らしい!トリスターノが聴いたらさぞかしビックリした事でしょう。 3曲目はプロデューサー2人のオリジナルRapunzel。さすがにポップな雰囲気のジャズチューンですね。Peteさんの芸風にはぴったりですが Warneさんにはどうでしょうか?意外に楽しげに演奏しているように聞こえますが。 4曲目はアルバムのもう一つのハイライト、アップテンポのその名もTenor Of The Time。こう言い早い曲ではPeteさんまさしく本領発揮、 バキバキとゴキゲンにスイングしています。タイムは良い、音符が長い、明瞭な話し方、バッチリなタンギングで音符がプリプリしている、 そしてアドリブカッコ良いと来れば言うこと無しです。で、ここでテナー演奏が彼1人で終わってしまえばありきたりのごく普通の凄い演奏ですが(笑)、 この後にホゲホゲのカリスマWarneさんの演奏が入る事により、全く普通では無い演奏に化学変化しています。テナーバトルって面白いですね。 5曲目はご存知Charlie Parkerの名曲Donna Lee。しかし何ですかこのテーマ演奏は?輪唱とはまた異なる、拍をずらしてのメロディ演奏、 アンビリバボーなアイデアによるこの曲の代表的な演奏が生まれました。 6曲目はPeteさんのワン・ホーン・カルテットによるJerome Kernの名曲I’m Old Fashioned。もう、大好きな演奏で何度聴いても堪りません。 これだけ唄っていればテナー1人で完結しています。

2017.06

2017.06.19 Mon

リコ・リード・アルト木製箱‼️

以前eBayで落札したリコ・リード・アルト3番、木製の箱をご紹介します。

何年頃のものかは資料がないので分かりませんが、リコ・リードは1928年創業なのでもしかしたらその頃のものかも知れません。 奇跡的なコンディションで残っていました。 大変凝った造りで思わず見入ってしまいます。 蓋には印刷ではなくしっかりとレリーフで文字が刻まれています。 ちょっとオシャレなアンティーク小物入れと、見紛うばかりのクオリティです。 箱の四隅にも丁寧に組み継ぎが施されています。 当時の職人の情熱や意欲を感じさせてくれます。 箱にこれだけの手間を掛けているので、当然収納されているリードも優れているに違いありません。 何枚か入っていました。 リード自体の木の質が現代のものとは根本的に異なっているように感じます。「しっかり」感が半端ないです。 左側が現代のリコ・リード、木製の箱に入っていたリードの方が「木製」っぽいです。現代のものは白っぽく、比較するとまるで紙のようです。木製の方は幾分長さが短いですが(リコ・リード歴代短い場合があります)、かなり長いカットの仕上げです。こちらの方が手間が掛かりますが、リード全体が良くしなるので豊かな響き、倍音が得られます。 リード裏側の字体、ロゴも異なります。恐らく25枚中殆んどバッチリ使えたのではないでしょうか? さすがに手間が掛かり過ぎたのでしょう、いつの頃からか木製の箱をディフォルメした、紙製木目調の箱、通称「リコの茶箱」に変わりました。僕もこの箱のリコには大変お世話になりました(当たりのリードの数もまだかなり多かったです)。下の箱はリコ・ロイヤル・リードのもの、こちらのデザインも木製をイメージさせるので、ひょっとしたらリコ・ロイヤルも昔は木製の箱であったのかも知れません。 因みにこのリコ・ロイヤル・バリトン・リード、硬さが1番と珍しいのでニューヨークの楽器屋でアウトレットで買って来ました。 こちらは1980〜90年代のリコ、リコ・ロイヤルの紙箱です。品格、風格が箱のデザインからめっきり感じられなくなりました。当然のようにリードの質も低下し始めました。 この当時の箱に同封されていた”THANK YOU”と題された説明書きが僕の引き出しに残っていました。 各国の言葉で書かれており、もちろん日本語でも日頃のご愛顧に感謝の旨が書かれています。 この説明書きが入っていた頃はリコも少し改心したのか、リードのクオリティがやや持ち直したのを覚えています。

2017.06.14 Wed

Eddie Daniels CD ”First Prize! ”

最近ハマっているCDがテナーサックス、クラリネット奏者Eddie Danielsの初リーダー作”First Prize! ”   1966年録音でEddie Danielsの誕生日直前、まだ24歳です。 当時ウィーンで行なわれていたInternational Jazz Compensationで一等賞を受賞した栄誉に掛けて”First Prize! ”というタイトルになりました。ちなみにChick CoreaトリオやWeather Reportの初代ベース奏者だったMiroslav Vitousも1966年僅か18歳で同コンペティションに優勝しています。 Eddie Danielsが当時所属していた伝説の名ビッグバンド、Thad Jones〜Mel Lewis Big BandのリズムセクションであるRoland Hanna(p) Richard Davis(b) Mel Lewis(ds)を雇い録音しています。 この作品はレーベルが名門Prestige、レコーディング・エンジニアが名手Rudy Van Gelderとジャズ名盤の王道を行っています。 そして内容ですが、イヤ〜全く素晴らしい!! 現在ではジャズ・クラリネットの第一人者として君臨しており、一時は全くサックスを演奏しなかったようですが、最近ボチボチ吹いているようです。 CDジャケット写真を見る限り楽器はセルマー・スーパー・バランスド・アクション(low BとB♭のキーガードがセパレートではないので中後期のモデルです)、マウスピースもリガチャーは替えていますがオットーリンク・メタルと、こちらもジャズテナーの王道真っしぐらです。 僕好みのエグみのあるテナーサックスの音色、端整なタイム感、コード進行に対して常に抑揚を失わない知的なフレージング、そして極端なまでのテナーの音量のダイナミクス〜ppからffまでの完璧なコントロール!! これが僅か24歳の演奏とは思えません。 この時点で確固たる自分のスタイルを築き上げています。 僕の尊敬するサックス奏者たち、Stan Getz、Lee Konitz、Warne Marsh、Steve Grossman、Dave Liebman、Mike Brecker、Bob Berg、Bob Mintzerがそうであるように、Eddie Danielsもユダヤ系アメリカ人だそうです。

ところでMike Breckerから直接聞いた話ですが、1977〜78年頃、The Brecker Brothers Bandの代表作Heavy Metal Be-BopやBlue Montreuxをはじめ、Mikeさんがスタジオの仕事をやり倒していた頃に使っていたマウスピースはOtto Link Double Ringの6番で、なんとEddie Danielsから貰ったものだそうです。このCDで使っていたマウスピースがそのままMikeさんに渡ったのかも知れませんね。

2017.06.06 Tue

リガチャーネジ交換〜ウッドストーン篇〜

リガチャーのネジを交換する事でサウンドが変化し、吹奏感がアップします。

ウッドストーン・リガチャーで試してみました。 こちらは素材がシルバー、銀無垢です。 こちらは真鍮の地金に金メッキを施したもの。 左側2本がウッドストーンのネジ、やはり銀無垢です。 右側の2本は先日eBayで落札したリガチャーネジ60本の中のものです。 以下は以前のブログに掲載した写真です。 ツマミがとても大きく、ウッドストーンのネジの倍近い重さがありそうです。 ネジピッチが細かいネジで、インチ仕様やセルマーには合いません。 素材は多分真鍮でシルバープレートだと思います。 本来のネジと取り替えてマウスピースに装着してみました。 かなりネジが大きくて目立ちます。 こちらも左側2本ウッドストーン真鍮ゴールドプレートネジと、同じくeBay落札60本ネジの中の金色ネジ。多分ラッカー仕上げです。やはりツマミ部分がとても大きく、重量感があります。 こちらも取り替えてマウスピースに装着しました。 こちらもかなりのデカブツです。   さて結果です。 シルバーのリガチャーを特大ネジに交換、大成功!! 幾分抵抗感が増しますがエアーが強力に入るようになります。レスポンスもぐっと向上し音の立ち上がりが早くなり、音のクリアーさ、輪郭の太さが強調され、テナーらしさ、豪快さが際立ちます。リガチャー自体の銀無垢素材の良さが存分に発揮されている感じです。ウッドストーンのネジがやや小振りだったのに較べ、特大ネジに取り替えた事で重量が増した事が要因ですが、ここまでの変化は想定外でした。 真鍮ゴールドプレートもシルバーほどではありませんがバージョンがアップした吹奏感、サウンドになりました。 ウワサを聞きつけて石森楽器でウッドストーン・リガチャーの取り替えネジ、ヘビータイプ、ウルトラヘビータイプが発売される日が来るかも知れません。

2017.06.05 Mon

セルマー・ベニー・グッドマン・リガチャー

セルマー・ベニー・グッドマン・リガチャー・クラリネット用です。 セルマー数ある種類のリガチャーの中で個人名、アーティストの名を冠したリガチャーは恐らくこのベニー・グッドマン・リガチャーだけです。 普通のセルマー・リガチャーでMADE IN FRANCEのロゴがあるべき所に燦然とBENNY GOODMANの名前が!!

MADE IN FRANCEはリガチャーの裏側に刻印されています。

随分と凝った作り、仕様です。このリガチャーも矢張り1958年の製品と考えられます。総じて芸術的とも言えるセンス、美学、気品を感じ取る事が出来ます。

この頃のキャップには幅調整のためのスリットが設けられていません。

以前取り上げたセルマー・シングル・スクリュー・リガチャーとは同じコンセプトの下締めタイプですが、リードにあたるプレートのシステムがかなり異なります。 プレートの両側を下向きに折り曲げています。プレートを止める鋲、シングルスクリュー・リガチャーはマイナスのネジ止めになっていました。 以下はベニー・グッドマン・リガチャーのスクリューと台座の接写です。 以下はテナーサックス用シングル・スクリューリガチャーの台座、スクリュー部接写です。 サックス用にもこのプレート・システムを採用しても面白いと感じました。 肝心の吹奏感、サウンドですが、これだけこだわって作っているだけの事がある実に素晴らしい吹き心地、豊かな響き、音色です。 実はこのリガチャーをベニー・グッドマン自身が吹いている、若しくは装着している写真、映像を僕は目にした事が有りません。 どなたかご存知ありませんでしょうか? それともグッドマン自身このリガチャーを作製依頼したのか、セルマー社が企画してベニー・グッドマンの名前を借用したのか、いずれにせよグッドマンは気に入らず使わなかったのかも知れません。 ほとんどの製品のモニター、エンドーサーは契約上積極的にその製品を使うのが常ですが。

2017.05

2017.05.27 Sat

マーチン・リガチャー袋入り合計100個‼️

3年近く前になりますが、マーチンのテナー・ハードラバー用のリガチャーをeBayで落札しました。 こちらも以前落札したリガチャーのネジ60本と同様で誰も入札者がおらず、開始価格での落札でした。 個数が半端ではありません。袋入り合計100個です。

 ふ

アメリカ国内の何処かの楽器屋倉庫に眠っていたのでしょう。断捨離?閉店のため在庫処分?よく分かりませんが、テナーのリガチャーとして出品されていましたがアルトのリガチャーも含まれており、テナー用が約70個、アルト用が約30個でした。 以下の値札が入っていました。 リガチャー1個2ドル25セントと言う事でしょうね、現代のリガチャーの価格からすると信じられない安さです。 値札の裏面です。

Wurlitzer社が親会社で何処かにOEMでリガチャーを作らせ、Martinに卸しているのでしょうか。

リガチャー自体には何もメーカー等の刻印はありません。

テナー用

アルト用

肝心のサウンド、吹奏感ですが、これが本当に素晴らしいです。 ダークで豊かな倍音成分を含み、確実な素早いレスポンス、Otto  Link等のラバーマウスピースにバッチリとフィットします。 削り出しのネジの使用、リガチャー本体のバリ取り等の仕上げ、ラッカーのクオリティも高く、多分アメリカでこのレベルの仕事が出来るのは60年代以前なので、この頃の商品と考えられます。 リガチャーネジ60本の中のインチ・ピッチのネジの中で、古そうな物と付け替えて吹いて見ましたが、その違いがかなりあるので面白いです。 もっとも練習もしないでグッズ弄りばかりしているのはオススメ出来ませんが(爆) 最後にテナーのリガチャーを全て机の上に並べてみました。 凄い数でした。  

2017.05.25 Thu

セルマー・マグニトーン・リガチャー

今回取り上げるのはセルマー・マグニトーン・リガチャーです。

こちらも前回のセルマー・シングルスクリュー・リガチャーと同様に1950年代に発売されていましたが、シングルスクリュー・リガチャーがフランス・セルマー社の製品に対してアメリカ・セルマー社の製品になります。 リガチャーの素材は洋白(洋銀)です。 以下は珍しい銅製のマグニトーンです。 アルトからテナー、バリトンまで、主にラバーですがサイズが合えばどのマウスピースにも使用できると言う、いかにも西洋的な合理主義の産物です。 とはいえ、マウスピースの大きさ、テーパー(相対する面が対称的に傾斜している円錐状の部分。また円錐のように、先細りの形になっていること)が合って、マウスピースの形にぴったりとフィットすると、効率良く鳴るようになります。 逆に言えばマウスピースの形に合わないとマグニトーンの特性が発揮されません。 以下はマグニトーンをコピーして現代に再現した、イタリアのBorgani社製のリガチャーです。 テナー奏者Joe Lovanoが使用した事で有名になったリガチャーですが、ご覧の通り縦のスリットがマグニトーンよりも細かく設けられていて、マウスピースの微妙な太さに更に合致します。実はこのスリットはサウンド面や見ため的な要素もあるかも知れませんが、大きさを調整するツメを入れるためのものなのです。 マグニトーンの肝心のサウンド、吹奏感ですが、薄くて華奢な形状からは想像出来ない、タイトでしっかりとした音色、豊かな倍音成分、素早いレスポンスです。 銅製は洋白よりも丸い、幾分木管的なサウンドです。どちらかと言えば洋白の方がマグニトーンらしさが出ています。 難点としてはチューニングの際にズレ易い、マウスピースに傷が付く場合がある、前述の通りしっかりフィットするマウスピースが限られる、です。 じゃあスリットの多いBorgani社のリガチャーが良いのでは、と言う事になりますが、これが素材の違いなのか、Borganiの方が幾分厚く作られているからなのか、マグニトーンの音色、吹奏感に明らかに軍配が上がります。 現行のセルマー社サックスとビンテージ・セルマーの違いと言ったところでしょうか。  

2017.05.21 Sun

シングルスクリュー・リガチャー第2弾‼️

セルマー・シングルスクリュー・リガチャーに続く別のリガチャーです。

作りや形状は前回のセルマー社のリガチャーにそっくりです。リードにあたるプレートが厚めでそこは独自の形をしています。ブランドやメーカー名は何処にも記載されていませんが、Pageというメーカーのリガチャー、いやKeilwerth社の物だという話を聞いた事があります。 全体的に少し大振りな仕上がりです。 メッキもしっかりかかっており、マウスピースの装着感もタイトでリードの固定感もバッチリです。印象としては「これはイケそうだ!」と予感させますが実際の使用感は、と言うと、 これがひたすら「重い」んですね。 最初に息を入れた感じは悪くありませんが、更に入れようとすると入りません。まるで背後から羽交い締めされているかのようです。振動が止まり倍音成分も希薄な感じで「硬い」サウンドです。この個体の個性なのかと思い更に同じリガチャーを2個、合計3個試してみましたが、いずれも殆ど同じ吹奏感でした。リードの番程を下げる、違うタイプの物に変える等試してみましたが印象は殆ど変わりません。 思うに「こう言う形のリガチャーを作ろう」(セルマーの事ですが)、このunknownメーカーはそれがまず始めにありきでの作成、プレイヤーサイドの要望、意見を取り入れず「作れば何とかなるだろう」的などんぶり勘定が支配したのでは、と感じられます。 実際eBayに出品されているこのリガチャーは重くて使いきれなかったのか、美品がとても多いです。  

2017.05.20 Sat

セルマー・シングルスクリュー・リガチャー・シルバープレート‼️

先日eBayでリガチャーネジ60本落札を報告しましたが、今回はリガチャーです。

セルマー・シングルスクリュー・リガチャー・シルバープレート・テナーラバー用。   Theo WanneのサイトにあるMouthpiece Museumによると、このタイプのリガチャーは1958年に発売されたそうです。 オットーリンク・メタルのリガチャーと同じ、大きなシングルスクリューで下からプレートをリードに圧着させて押さえるシステムが採用されており、リードとマウスピースの関係としては理想的だと思います。因みにセルマー・メタルマウスピース用はこちら。 両方とも実にしっかりとした作りで当時のセルマー社の職人の意気込み、情熱を感じます。さすが歴史ある楽器メーカー、憎いほどネジの作りが確実でアソビが有りません。そして分厚いプレートが特徴的、効果的です。 肝心のサウンド、吹奏感ですが、セルマー2本ネジ下締めに比べ、幾分抵抗感は増しますがレスポンスの素早さ、吹奏感の安定度、倍音成分の豊富さ、雑味のゴージャスさ、フラジオ音域の確実さ、自分の好みですが全て申し分有りません。   こちらは同じタイプでラッカー仕上げのもの。 全く同じ作りですが、こちらはとても良く使い込まれており、プレート部分のラッカーが完全に取れています。 ビンテージ・セルマー・マークⅥやスーパー・バランスのラッカーが剥げた楽器のような渋い味わいのあるサウンドですが、金属疲労とまでは行かずともレスポンスの速さは結構落ちます。 今回落札したこのシルバーのリガチャーは奇跡的に殆ど使われておらず、新品に近いクオリティを維持しています。 出品者の話によりますとセルマー・エアーフロウ・モデルのマウスピースに付属した状態で入手、マウスピースはこのモデルを探していた友人に譲り、リガチャーのみを出品したそうです。 1958年ごろエアーフロウ・モデルのマウスピースを購入すると、このリガチャーが付属で付いてきたのかも知れません。 大変丁寧な作り、仕上げのリガチャーで、ゼヒ現代のテクノロジーで再現して発売して貰いたいですが、間違い無くかなりの価格になりそうです。  

2017.05.10 Wed

逆転裁判15周年記念オーケストラコンサート無事終了‼️

異議あり‼️   このセリフでお馴染みです。アニメやゲームで大人気の逆転裁判。

2017年5月6日「逆転裁判15周年記念オーケストラコンサート」

出演:東京フィルハーモニー交響楽団

佐藤達哉(as,ts)

会場:上野・東京文化会館

無事終える事が出来ました。

2,300人収容の大ホール、昼夜2部とも5階席まで満席、ステージではアニメの映像もスクリーンに映され、普段は打ち込みで演奏される名曲の数々も華麗なオーケストラでの文字通り生演奏‼️

観て聴いて、ファンの皆さんとても喜んでおられました。

東フィルに入って2曲演奏させて頂きました。当日のコンサートはレコーディングされ、いずれCDやネット配信での販売を考えているそうです。

演目のうち1曲はテナーサックスをフィーチャーした美しいメロディのバラード。リリカルでゴージャスなストリングス、ウッドウインズ、ブラスを配したオーケストラをバックにメロディを吹いていると、名盤Claus Ogerman / Michael BreckerのCityscapesでの名演を思い浮かべてしまいます。

いずれ全曲オーケストラをバックに自分のコンサートを開いてみたいと心から思いました(^_^)v

2017.05.05 Fri

リガチャーネジ60本‼️

先日eBayのオークションでリガチャーネジ60本セットを落札しました。 と言っても他に誰も入札する人がおらず、開始価格での落札でした。落札する僕も僕ですが(笑) ネジ無しのリガチャー本体30個(ネジ2本づつ使用のため)が出品される日がいつか来るかも知れません(爆) 日頃からネジによる楽器の振動の違いに興味があり、カドソンの輸入元の中島楽器にサックスのネジ全てを全て洋白(洋銀とも言います)で作って貰いました。これは好評につき製品化されています。 ネジの中でも特に興味があるのがリガチャーのネジです。最近(と言っても随分と前からですが)鋳物で作られた、リガチャーの様なリードの振動を伝える、コントロールするパーツに全く不向きなネジを用いての物を見かけますが、やはり削り出しのネジに勝るものはありません。 今回落札した60本は全て削り出しのネジで、モノによってはその形状から1940〜50年代と推測される物も何本か含まれています。比較的新しいネジも実にしっかりした個体ばかりです。一体どんな人が出品したのかにも興味がありますが、その点はまた後日に回しましょう。60本のネジはしっかり3種類のネジピッチに分類されました。     ①セルマー ②ウッドストーン ③ハリソンやマーチン等のアメリカン(インチ仕様) インチ仕様に40〜50年代のビンテージネジが多かったです。   後期ハリソンや現行品のメーカー違いハリソン形状のリガチャーには鋳物ネジが使われていますが、これに削り出しネジを使うとあまりの鳴り、音色の違いに驚きます。 倍音が多く含まれ吹奏感がアップし、幾分抵抗感が増えますがよりエアーが入るようになり、むしろコントローラブルになります。 またセルマーやウッドストーンに交換可能なネジの中には通常の物より質量重め、形状もしっかりした物があり、こちらに交換するとやはり吹奏感がとても変わり、タイトな吹き心地になります。  

2017.05.05 Fri

Stan Getz Live At Newport 1964

最近良く聞いているのがStan Getzです。 学生の頃はGetzのテナーの音色があまりにもシューシュー、ガサガサと聞こえてその本当の良さが分かりませんでした。 酒の好みが20代はビールやサワー等の飲み易いものから、加齢を重ねてバーボン、紹興酒、芋焼酎等の「臭い」酒に移り変わったのと同様に(笑)、Getzの音色が堪らなく好きになりました。 特に好みがオットーリンク・スラントを使っている頃の1960年代の演奏です。 50年代末からヨーロッパに移住し、地元のリズムセクションと共演を重ね、60年頃にアメリカに戻った時から音色がグッと逞しく太くなり、フレージングも一層淀みない安定したものになりました。何よりタイム感が完璧と言って良いほどの境地に達しました。 そんな彼の絶好調な時期の演奏を収録したCDがStan Getz Live At Newport 1964 未発表作品とは信じられないクオリティの演奏、そして録音状態が素晴らしいです。 ts) Stan Getz vib)Gary Burton b)Gene Cherico ds)Joe Hunt 、そしてスペシャルゲストに米国のジャズフェスティバルに初出演のvo)Astrud Gilberto、加えてtp)Chet Baker。 当時のレギュラーメンバーにゲストを加えた形です。 Phil WoodsのWaltz For A Lovely Wife、EllingtonのTonight I Shall Sleep、Michael GibbsのSweet Rain等の選曲もマニアの好みを擽ります。GetzのMCにもメチャ毒があって大変楽しいです。

2016.02

2016.02.16 Tue

リー・コニッツ / ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡

ここのところずっと、ちびちびと、味わいながらリー・コニッツの自伝を読んでいます。 image こんなに面白くて良いのでしょうか?(笑) 毒舌、本音で物事を語る、歯に衣を着せない、徹底した音楽に対する価値観、美学。 10年前に読んだとしたらあまり分からなかったかも知れません。逆に10年後読み返すとまた沢山の発見がありそうです。 演奏に対して「つまり準備しないということだ。ところがそのためにはたくさんの準備が必要なんだよ!」考えさせられました。 このCDを引っ張り出して聴いています。 image もう一枚。 image この本を読んでからまた聴こえ方が違って来ました。            

2015.07

2015.07.19 Sun

HIBI★Chazz-K新譜発売!

2015年7月15日HIBI★Chazz-Kの新譜、Happy Sax Hit Express 2015がポニーキャニオンより発売になりました。image   昨年メジャーデビューでリリースしたCD、Happy Sax Express 2014がいきなり日本レコード大賞企画賞を受賞という快挙を成し遂げました。サックス4人+パーカッションという編成で地道にストリート・パフォーマンスを展開し、ひび則彦の緻密なアレンジによるバンドのアンサンブルをギグをこなす毎に確実なものにし、新作は更に充実した内容になりました。 image 前作にも参加させて貰いましたが、新作でも僕は4曲(1.TANK! 2.ルパン三世のテーマ 15.軍師官兵衛メイン・テーマ 17.DONNA LEE)で演奏、ソロもとっています。 ゲストのサックス奏者、土岐英史、藤陵雅裕、そして日本サックス協会会長の石渡悠史全員、僕と同様にひび則彦の師匠です。更にHIBI★Chazz-Kに新加入のアルト奏者染谷真衣は現在でも僕に師事しています。友情参加のアルト奏者萩原優も僕に師事していました。 2015年8月15日(土)瑞江東部フレンドホールで開催されるHIBI★Chazz-Kのコンサートに僕もゲスト出演します!            

2015.06

2015.06.29 Mon

Metalution@田沢湖オラエ

6月26日(金)は田沢湖ジャズ倶楽部主催のMetalution(佐藤達哉、浜田均Duo)コンサート。美しい田沢湖畔に佇む地ビールレストラン、オラエで演奏しました。田沢湖ジャズ倶楽部は23年の歴史があり、我々の今回のコンサートで58回目を迎えました。国内だけでなく海外からのミュージシャンも多数出演する名門ジャズ愛好会と言えます。 風光明媚な田沢湖、美しい自然、スタッフの方々に暖かく迎えて頂き、我々演奏の機運が高まっていました。ビブラフォンの生演奏を初めて聴くと言う方がほとんどで、我々の演奏を大変熱心に聴いて頂き演奏はとても盛り上がりました。有難うございました! image      

2015.06.11 Thu

Do Jazz Senzoku 2015

7月5日洗足学園音楽大学 前田ホールにて行なわれるDo Jazz Senzoku 2015に僕のリーダーセッションで出演します。(メンバーはスケジュールを参照して下さい) ボーカリストChakaを2曲フィーチャーしますがその内一曲はPatti Austinの名唱でお馴染みWait A Little While。
あまりに懐かしいのでCDを引っ張り出して聴いてしまいました。
image イヤ〜懐かしい演奏ですね(^o^)/ しかも昔とは聞こえ方が全然違います! あまりに素晴らしい演奏なのでレコードまで引っ張り出して聴いてしまいました!! image レコードの音質の方がふくよかでテイスティ、おまけにミックスの関係でMichael Breckerのテナーの音が更に前面に出ています。 たまりません!!!  

2015.06.01 Mon

HPリニューアル・オープンしました。

HPリニューアル・オープンしました。

ブログも始めようと思います。

 

普段練習していて気がついた事、

新しく作曲やアレンジが出来た時、

サックスの奏法よもやま話、

楽器やマウスピースやリガチャー、

リードについて、

インプロビゼーションについて等、お話しして行こうと思います。

 
2015.05.23 吉祥寺・サムタイム/METALUTION

2015.05.23 吉祥寺・サムタイム/METALUTION